遺言書の書き方講座【自筆で書くときの注意点】まとめ

遺言書・遺書
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遺言書には自筆・公正・秘密の3種類があり、それぞれ間違った書き方をすると効力がありません。
自分の意志を明確に伝えるためにも、正しい遺言書の書き方を知っておきたいもの。

そこで今回は、遺言書の中でも最も手軽に作成できる『自筆遺言書』の書き方について紹介していきます。
作成ポイントを押さえ、無効とならない遺言書を作成していきましょう。

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自筆遺言書の書き方その0【何を書いていいのか分からない人に】

自筆遺言書は作成時に手数料がかからず、自分1人で作成できるため多くの人が選んでいる方法でもあります。
終活の一環として用意する方も増えていますが、記載する項目に悩んでしまう方も…。
では、自筆遺言書にはどのような項目を記載すれば良いか?を順に見ていきましょう。

自筆遺言書に必要な項目(1)自分の名前と年月日

自筆遺言書は言葉通り、全文直筆で書く必要があります。
字が下手だからとパソコンで作成してしまうと、せっかくの努力も水の泡に…。
全文直筆で書くことで、本人の筆跡であると判定され遺言書としての効力が発揮されます。

一番新しい遺言書が効力があると判断されるため、『平成〇年〇月吉日』ではなく『平成〇年〇月〇日』としっかり明記しておくことも重要です。
押印は実印と指定はありませんが、不要なトラブルを少しでも回避するためにもできるだけ実印をおすすめします。

自筆遺言書に必要な項目(2)相続

遺言書を作成しても相続する財産の表記を明確に記載していないと、争いのもとになるため意味がありません。
誰がみても分かりやすいように相続させたい建物や土地は、登記簿に記載されている名称で書くようにしましょう。

相続させたい割合の表記にも注意が必要です。
妻・長男・長女に相続させたいが相続財産が家と土地のみ。
そんなときに『妻に2/1・長男に4/1・長女に4/1』といった曖昧な表記はトラブルのもとになります。

分けるのが難しい財産であれば遺言書にあらかじめ、『〇〇は妻・○○は長男・〇〇は長女』といったようにハッキリと記載したほうが無難といえるでしょう。
相続人を記載するときは、
『妻 〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)』
と遺言者との続柄・誕生日も表記しておくと相続人が特定されるため、トラブルが起こりにくくなりますよ。

自筆遺言書に必要な項目(3)遺贈や寄付

遺贈や寄付についても相続と同様のことがいえます。
タンス貯金をしている場合は、遺言書への書き方にも注意を払いたいもの。
※お金に関しては下の項目で詳しく説明するので、ここでは省略します。

自筆遺言書に必要な項目(4)子どもの認知

非嫡出子(法律上、婚姻関係がない男女の間に生まれた子ども)がいる場合は、遺言書で子どもを認知することもできます。
対象の子どもがいて相続をさせたい場合は、認知する必要が。

ちなみに結婚して嫁いだ娘や、離婚して離れて暮らしている子どもも相続権があるので相続させたい場合は、忘れずに記載しておきましょうね。

自筆遺言書に必要な項目(5)遺言執行者の指定

遺言執行者は遺言書に書かれている内容を実行したり、遺産の処分や管理を行う権利を持ちます。
遺言執行者は必ずしも指定する必要はありません。
しかし、相続人の中で遺言書の内容に反対することが予想される場合は、あらかじめ指定しておいたほうが手続きをスムーズに行うことができるでしょう。

指定する場合は遺言書の中でしか指定できないため、遺言書を作成するときは忘れずに記載してくださいね。

自筆遺言書に必要な項目(6)付言事項

付言事項は残された家族へのメッセージです。
法的効力や拘束力はありませんが、今までの感謝の気持ちを込めてぜひ書いておきたいもの。

また、相続人の財産分与に差をつける場合はこの項目に理由を書いておくと、周りが納得しやすいというメリットもあります。
遺言書を残そうと思った経緯や家族へのメッセージなど、最終的な思いを直接伝えることができるので上手に利用しましょうね。

自筆遺言書の書き方その1【現金はどうやって書くのがベスト?】

遺言書に書くかどうかで迷うのが手持ちの現金やタンス貯金。
現金は相続人同士で分配しやすいため、遺言書に記載しなくても大丈夫と記載しない方もいますがそれはトラブルの元となります。

相続財産に不満が出やすくなる

どんなに仲が良い家族でもお金が関わるとトラブルが起こりやすくなります。
遺言書に記載していない現金やタンス貯金が見つかった場合、他にもあるのではないか?と疑心暗鬼になり一旦納得した相続財産の配分に不満を持つ危険性が…。

無断で現金を持ち帰る

故人の遺産整理で実家の整理をしていたときに、遺言書に記載がなかったタンス貯金を見つけ無断で持ち帰るというトラブルも起こっています。

タンス貯金や現金は銀行口座の預金と違い、遺言書に記載がない場合は相続人全員で共有という形になります。
『見つけたから自分のもの』とはならないため、注意しましょう。

遺言書への書き方

タンス貯金や現金を遺言書に記載する場合、
『遺言者〇〇が保有している現金は、〇〇に相続させる』と書きます。

このとき現金〇〇円と記載して実際にその金額と異なった場合は、相続人が疑心暗鬼になるため金額を明記するのは避けましょう。

ちなみに、銀行口座に保有している現金を相続させたい場合は

『遺言者の所有する下記に記した預貯金を長男〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
・〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇』

と記載をしておきましょう。

このときも亡くなった時点での残高が分からないため、金額は記載しないのがポイントですよ。

自筆遺言書の書き方その2【財産を寄付したいときはどう書く?】

自分の財産を寄付することも可能です。
自分がいくら寄付をしたいと考えていても、希望する寄付先の維持管理状態については寄付を拒否する場合もあるため、事前に確認しておくことを忘れないでください。

相続人の遺留分を侵害しないよう注意

遺留分とは遺言者が相続人のために残さなければいけない財産の割合を指します。
たとえ遺言者が保有財産全てを寄付したいと思っていても、相続人は遺留分を請求することができます。
そのため最悪、相続人と遺言者が希望する寄付先との間でトラブルに発展する可能性も…。

寄付を希望する場合は、相続人の遺留分を考えトラブル回避のために多めに財産を残すようにしましょう。

遺言書への書き方 財産寄付の文例

この場合は銀行口座に保有している現金を寄付し、遺留分として家屋や株を相続対象としています。

『遺言者〇〇は、
1.〇〇〇〇のため(寄付をその団体に行う理由)、〇〇(寄付を希望する団体や自治体)に下記の財産を遺贈する
・〇〇銀行〇〇支店にある遺言者名義、普通預金(口座番号〇〇〇〇)の全て

2.長男〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に下記の財産を相続させる
・遺言者名義である株式会社〇〇の株式 〇万株(〇〇証券〇〇支店に預託)

3.長女〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に下記の財産を相続させる
・土地
 所在 〇〇県○○市○○区〇〇 △丁目
 番地 〇番〇
 地目 宅地 
 地籍 〇〇・〇〇平方メートル』

株式を相続させるときは、分かりやすいようにどこに保管しているのかも記載することを忘れないでくださいね。

自筆遺言書の書き方その3【無効になってしまう遺言書の書き方】

自筆遺言書を作成しても様式を守っていなければ、その遺言書は無効となります。
無効となってしまうパターンを知り、対策を取るようにしましょう。

遺言書の署名を夫婦連盟にしてしまう

よくありがちなのが夫婦一緒に仲良く遺言の内容を考え、そのまま連盟で署名してしまうケース。
民法で『遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない』と定められています。

そのため、夫婦連盟で署名してしまうと共同遺言となり作成した遺言書が無効に…。
遺言の署名は作成者1名のみということを、しっかりと覚えておきましょう。

パソコンで作成してしまう

自筆遺言書は全て直筆で書く必要があり、パソコンで作成したものは無効です。
相続で財産目録を分かりやすくパソコンで作成しようと、変に気を回すとそれが原因で無効になってしまいます。

また、相続財産を遺言書に記すときは不動産であれば必ず、登記簿に記載されている通りに書くことも忘れないでください。
通常の住所表記で書いてしまうと建物が特定できずに、無効になる可能性もあります。

遺言書に日付を忘れる

初歩的なミスの1つですが、意外に多いのが現状。
遺言書は最も新しいものが有効と判断されるため、作成した日付が非常に重要です。
必ず遺言書を作成した日付を明確に記載し、押印も忘れないようにしましょうね。

ルールを知り、正しい遺言書を作成しよう

自筆遺言書は自分だけで気軽に作成できるというメリットがありますが、日付や署名の記載など定められたルールを守っていないという無効になります。

残された家族間でのトラブル防止のためにも、ルールを守り遺言書を作成していきましょう。