遺産は愛するペットにも相続できる?【ペットに相続させる方法】

相続
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ペットを飼っている人なら「自分がいなくなったときのお世話どうしよう」「ペットが快適に幸せに過ごせるようにお金を残せるのかな?」と1度は考えたことがあるのではないでしょうか。

そもそもペットに遺産を相続させることなんてできるの?と思う人も多いですよね。

今回はペットに遺産を残すことはできるのか?できないのか?どんな方法がで残せるのか?メリットやデメリットはあるのか?などをまとめました。

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ペットへの遺産相続は「負担付き遺贈」「遺言信託」のどちらかを使う

「ペットに遺産を遺したい」と遺言書に書いただけでは今の日本の法律上、ペットに遺産相続をすることはできません。
なぜかというと、相続・遺贈を受けとる相続人は「人」に限られていて、ペットは法律上「物」扱いになるからです。

ただ、全く方法がないわけではなく、決められた条件を守る必要があります。
それは【負担付き遺贈】か【遺言信託】のどちらかを利用すること。
それぞれの概要や特徴を説明していきますね。

ペットへの遺産相続方法その1「負担付き遺贈」とは?

負担付き遺贈は、遺産を相続する代わりに、受遺者に一定の義務を負担してもらう方法。


・ペットの世話をすることを条件に、遺産を渡す
・妻の介護をする代わりに財産をあげる
・家を渡すかわりにローンを毎月○円支払う

例えば、子どもに「ペットの世話をするかわりに財産をあげる」と負担付き遺贈をすると、財産を受け取る条件としてペットの世話が必要になります。
負担付き遺贈は通常の贈与と違って、受遺者側にも何らかの負担が生じるので、受け取る側の承諾がないと成立しません。

ただし、受遺者が負担する義務は”目的の価値を超えない限度”と決まっていて、受け取る財産の価値以上の義務は負う必要はありません。

ペットへの遺産相続方法その2「遺言信託」とは?

遺言信託は、財産を信託銀行に預けてペットのために利用して世話をしてもらう方法。
遺言で世話をしてもらう人を指定しておき、指定された人はペットのお世話に必要な費用や報酬などを信託銀行から定期的に受け取ります。

財産を信託管理下において利用してもらうことで、遺産を被相続人の希望に近い形で使うことができます。

ペットへの遺産相続のメリットとデメリット

負担付き遺贈と遺言信託を利用すればペットにも遺産相続が可能になりますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

負担付き遺贈のメリット

■負担を確実に履行されるようにできる
負担付き遺贈は「〇〇をしたら遺産相続がされる」と条件付けができる方法。
そのため、「ペットの世話を最後までしてくれた人」や「母と同居し介護してくれる人」という風に条件を明確にしておくと確実に履行されます。

■確実に財産を受け取ることができる
遺言書に「ペットの世話をしてくれた人に譲る」と書いていても遺言書は被相続人が自由に書き直せるため、ペットの世話を引き受けて遺産を相続する人の立場が曖昧になってしまいがちです。
その点、負担付き遺贈はの承受け取る側の承諾が必要なので、きちんと書面に「勝手に内容を変えない」としておけば確実に遺産を受け取ることができます。

負担付き遺贈のデメリット

■双方に税金がかかる場合がある
・受贈者(受け取る側)
受け取る側にかかる可能性のある税金は、「贈与税」です。
(贈与財産の金額~負担の金額)~基礎控除額110万円の金額がプラスになると贈与税がかかります。

・贈与側(渡す側)
贈与するのに税金がいるの?と思うかもしれませんが、所得税と住民税が必要です。

■どのぐらいの財産相続をするのかを検討しなくてはいけない
受遺者は受け取る財産以上の義務を負う必要がないため、負担(ペットの世話や介護など)に見合った財産を検討する必要があります。

■法定相続人の遺留分に注意
負担付き遺贈は法定相続人の遺留分の侵害はできないので、遺留分減殺請求をされて遺贈する予定だった財産が減少する可能性もあります。
そうなった時に負担の履行ができなくなる可能性もあるので、遺留分を侵害しない配慮が必要です。

■負担付き遺贈をしてもきちんとされない場合もある
負担付き遺贈をしても、しっかりと世話をしてくれる保証はありません。
約束を守らずにペットを保健所に連れていったり、介護放棄をしてしまうという問題も起こっています。

遺贈する相手が信頼できる人にしておく必要があり、監視する人(遺言執行人や他の相続人など)を選んでおきましょう。

遺言信託のメリット

■ペットのお世話に強制力をつけることができる
遺言書ではペットのお世話を頼んでも「ドックフードはこれ」「ワクチンを接種する」などを望んでいても実現するかは不確定で、”善意”に任せるしかありません。
ですが、信託は相続に条件をつけておけば希望しているお世話ができているかどうかを見守ることができます。

■生前からも利用できる
自分の死後だけでなく生前でも使えるので、手続きをしておけば老人ホームや病院に長期入院したときにも利用できます。

遺言信託のデメリット

■信頼できる人を探してお願いが必要
やはりペットを大切に育ててくれる人を探すことが1番難しいポイントです。
さらに、遺言信託は飼い主(委託者)が希望する飼育方法があれば、その方法をしなくちゃいけないことも大事な点。

また、飼育がきちんとされているかどうか?財産の使い方は適切は?といったことを管理する人も必要です。

■初期費用が高め
遺言信託は契約書作成に10万~30万円ほど費用がかかり、さらにペットのお世話代+運営費が毎月1万~5万程度必要なケースが多いです。
途中でお金がなくなってペットの養育費が払えない!とならないよう気をつけましょう。

ペットに残す遺産額はよく考えて計算しよう!

負担付き遺贈と遺言信託のどちらを選んだとしても、お金の計算と見積もりをしっかりとして、ゆとりを持った金額を置いておくことが大事。
エサ代やトイレシート、小屋やおもちゃなどペットが快適に過ごすために必要な費用は元の飼い主が責任を持って用意して残しましょう。

ペットへの遺産相続は可能だけど慎重に

負担付き遺贈や遺言信託を使えばペットに遺産を残すことが可能になります。
選ぶポイントは、
少々お金がかかってもきっちりとした金銭管理やこだわりの育て方などがある場合は遺言信託。
相続にかかる費用や維持費を抑えたい人やお金ではなく物を残したい場合は負担付き遺贈を選びましょう。

ですが何より大事なポイントは、自分の代わりにペットを大切にしてくれる人を探すこと。
きちっと約束して守ってくれる信頼できる人を見つけておきましょう。