延命治療の費用はいくらかかる?保険は適用されるの?

介護・老人ホーム
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終活について考えた時に必ず直面するのが「延命治療をするか否か」という問題です。
実際のところ延命治療ってどのくらいの費用がかかり、保険は適用になるのでしょうか?

今回は延命治療にかかる費用や、保険適用の有無、延命治療をする時の注意点などをまとめました。

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延命治療は種類によってかかる費用が変わる

延命治療には分けると、呼吸の延命・栄養の延命・代謝の延命(腎臓)の3種類があります。
それぞれの延命にかかる費用をまとめました。

■呼吸に関する延命治療【2500円~】
 ・心肺蘇生法(心臓マッサージ) 30分 2500円
 ・心肺蘇生法(電気ショック) 1日 3万5000円
 ・人工呼吸器(※) 1日1600円
※人工呼吸器は病院で利用した場合にかかる費用です。

■栄養に関する延命治療【1日600円~】
 ・胃ろう(手術費) 60700円
 ・胃ろうから栄養摂取 1日につき1850円
 ・点滴 1日につき 1400円
 ・鼻にチューブ 1日につき 600円

胃ろうを作った後は定期的なカテーテル交換(2000円)と胃ろう交換時の材料費(8000円~20000円)が必要になります。
点滴は中心静脈から高カロリー輸液を入れる方法で、消化機能に問題がある場合でも摂取することができますが、経口摂取ができない期間が短い人には鼻からチューブを通す方法にすることが多いです。

■腎臓に関する延命治療【月額24~50万円程度】
 ・人工透析(1日4時間、週3日を1ヶ月行なった場合)24万~

人工透析料金以外に診察代や通院費もかかるので実際には30万円ほどかかります。
腎臓の機能を補う人工透析は2種類で、血液を機会を通して濾過・排出して循環させる血液透析と、お腹の中にある腹膜を使って濾過をする腹膜透析があります。
残されている腎臓の機能(残存腎機能)や生活スタイルなどを考慮してどちらの選択が良いか決定します。

延命治療でかかった費用は保険適用で1~3割になる

上記の医療費を見て、「高い!」と感じたかもしれませんが、日本は国民皆保険制度があるので医療費は保険が適用されます。
延命治療も保険適用の範囲なので、実際に負担する金額は1割~3割。
負担額は次のように“年齢と収入によって変わります”。

■75歳以上・・・1割負担(現役並み所得者は3割)
■70歳?74歳・・・2割負担(〃)
■70歳未満・・・3割負担
■6歳未満・・・2割負担

高額療養費制度のおかげで負担額が青天井にならない

いくら保険が適用されても1ヶ月入院して、延命治療をしていると1~3割負担といえどかなり高額になります。
そのため日本には高額療養費制度というのがあり、きちっと申請すれば月々の医療の上限以上にかかった費用は公費でまかなってもらえます。

■70歳未満、年収約370万~約770万(3割負担)の場合

この人の場合、自己負担の上限は
80,100円+(医療費-267,000円)×1%になります。

1ヶ月に100万円の医療費がかかったときは
80,100円+(1.000,000-267,000円)×1%=87,430円なので、

100万円の3割分30万円を病院の窓口で一旦支払い、後日、自己負担上限の87,430円を引いた21万2570円を受け取ることができます。
また、多数回該当という制度があって、4ヶ月目以降は上限が44,000円になります。

■70歳~74歳、年収約370万未満(2割負担)の人、75歳以上年収約370万未満(1割負担)の人の場合

70歳以上で年収が370万未満の人は、高額療養費の上限は一緒で44,000円。

1ヶ月の医療費が100万円だった場合、
窓口で20万(2割負担)か10万円(1割負担)を支払い、後日44,000円を差し引いた差額を受け取ることができます。
70歳未満と違い、1ヶ月目から退院までずっと同じ料金、と優遇されていますね。

また、入院の時に大部屋ではなく、2人部屋や個室を利用すると保険適用外なので、大部屋とのベッドの差額分が自費で必要です。

この支払い額の上限は↓の表に詳しく書いているので参考にしてみて下さい。

出典:厚生労働省ホームページ
(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-37.html)

延命治療の費用は保険で安くなるけど長期に渡ると高額に…

保険適用や高額療養費制度で延命治療費が安くなるからといって、安易に延命治療を始めてはいけません。

上記の70歳未満、年収約370万~約770万(3割負担)の人に対して延命治療を行い、1年間続けた場合にかかる費用は、
87,430円×3ヶ月+44,000円×9ヶ月=658,290円

最低限の治療費のみでも約66万円は必要になります。

2017年に「本人の意思とかかりつけ医の意思が確認できれば蘇生行為(延命治療のこと)を中止する選択も認められる」というガイドラインが発表されましたが、急な出来事で本人の意向がわからないまま、人工呼吸器や透析などの延命治療を始めた場合、途中で辞めることはできません。

延命して生き続けている限り、お金はかかります。
感情論だけではなく経済面も踏まえて、自分や身内が延命治療が必要になった場合どうするか?をきちっと話しておく必要がありますね。

延命治療を希望するか否かはエンディングノートにメモしておこう

延命治療を行うかどうか?は本人の意思を尊重するのが一番大切で、どのように最期を迎えて旅立つか?または旅立たせてあげるのか?というは人としての尊厳を大切にする行為です。
親を介護することになった時も意思疎通が取れて決断力のある間に「延命治療はどうする?」と話し合っていてください。

親の意識がなく、延命措置をどうしたらいいかわからないと時は、エンディングノートが残っていないか探してみてください。
また、自分自身も「まだ関係ない」と思うのではなく、エンディングノートを作って自分の希望を書いて残しておきましょう。

延命治療は保険が適用!だけど個人の尊厳が大事

延命治療は保険は適用されますが、命を少しでも延ばすための治療であり、いま抱えている病状が根治することはないため、”終わりの見えない治療”になります。

延命治療をやめる=死が確定するので、正解はないし難しい問題だからこそ、自分はどうするのか?自分の身近な人はどうして欲しいのか?を話し合っておいて、いざという時には個人の尊厳を尊重できるようにしておきましょう。