遺産分割で兄弟姉妹が争いになるパターンとトラブル対策の方法

相続
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遺産分割はどれだけ仲の良い兄弟姉妹だったとしても争いになったり、溝ができて疎遠になってしまう場合があります。
望んで自分の兄弟姉妹と争いたい人はいないはず。

今回は、遺産分割のどんな時に兄弟姉妹で争いになるのか?トラブルはどうやって防げばいいのか?をまとめました。

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兄弟における遺産分割争いで一番多いのが「不動産(家)の相続」

兄弟間で相続争いになる例を紹介します。

■兄の状態
・独身で実家(一戸建て)に父母と同居と同居していた。

■弟の状態
・結婚していて妻子がいる。住まいは購入したマンション。

このような場合、兄と一緒に住んでいた両親が他界したら、土地と家はどのように分割すればよいのか?
というのが兄弟間の相続争いで多いケースです。

それぞれの言い分はこうです。

【兄の言い分】

両親とこれまで同居して、介護をしてきた。
一番寄り添ったし、家は長男が継ぐものじゃないのか?

弟はマンションを持っているのだから住む場所には困らないし、今この家(実家)は私が住んでいる。
第一、私が介護で大変だったとき協力してくれなかったのに、家(財産)をもらう気でいるのはおかしい。

【弟の言い分】

私は実家を売却してそのお金を兄と分けたい。
自分の相続分は受け取る権利がある。

兄は介護が大変だったと言うが、家賃も払わずで居候状態だったのだから、両親の介護をするのは当然。
結婚もしていない兄が、一軒家に住むのはもったいないし、家は売却してアパートを借りればいいでしょう。

【今回争いになっている原因】
・両親の遺言書が残っていない
・財産は、この土地付きの一戸建てのみ
・親の面倒は兄がみていた
・遺言書がない場合は、法律に従った財産分与の権利が与えられる

財産は家だけだから兄弟間で揉めたりしないだろう、仲のいい兄弟だからきっと大丈夫だと思っていても、遺産で争いその後疎遠になってしまったケースは多々あります。

遺産分割の仕方は4パターンある

遺産を分ける方法は大きく分けて4パターンあるので紹介します。

■現物分割
相続財産をそのまま引き継ぐ基本的な方法です。

土地と現金がある場合は、兄が土地、弟が現金と分ければよいですが、今回のケースのように土地と家しかない場合に、兄が両方を相続するとなると争いが起こりますね。

■換価分割
遺産を現金に変えてから相続人で分割する方法。

土地や家はあっても、金銭がほとんど残っていない場合や相続人が多く現物分割だと不利になる人が出てくる場合は、換価分割を行います。
今回の場合は、土地と家を売却して現金化してから分けることになり、金銭に変える分キッチリ分割できますが、土地や家が売れないと分割することができません。

■代償分割
相続人の1人が現物を受け取り、他の相続人にはその価値を金銭で精算する方法です。

例でいうと、兄が土地と家を丸ごと引き継ぎ、土地と家の価値の半額を弟に渡すと成り立つので、換価分割のように売却を必要がありません。
価格を正確に調べる時間は必要ですが、換価分割ほどには手間がかからず分割できます。

ですが、代償分割にすると次は、兄に現物の半額分の支払い能力はあるのか?といった問題がでてきます。

■共有分割
相続人が共同で相続された財産を所有します。

今回の場合だと土地と家を兄と弟で所有することになり、もし財産が家賃収入のあるマンションだった場合、収入は相続人で均等に分けて受け取っていきます。

どの方法がいいのか?どういう組み合わせにすれば納得のいく配分になるのか?はしっかり話し合わなくてはいけませんね。

遺言書に『家は長男に全て相続する』と書いていたらどうなる?

遺言書で兄に譲ると書かれていても、弟は被相続人の実の子なので遺留分を請求することができます。

遺留分は配偶者と子どもは1/2、親は1/3と決まっていて、今回のケースだと兄弟の法的相続分は1/2ずつ、遺留分はその1/2になるので、遺言書があったとしても弟は1/4までは自分の権利として主張できます。

具体的な金額をあげると、5000万円の本来の相続分は2500万円、遺留分はその1/2で1250万円。
遺言書があっても弟は1250万円を受け継ぐことができます。

■遺留分とは?
一定範囲の法定相続人が最低限の遺産を受け取れるように定めた法律です。
遺留分が認められるのは、被相続人の配偶者・子ども・親までで、兄弟姉妹は含まれてません。

遺産相続は法律に従って受け継ぎますが、遺言や贈与がある場合は相続人でも十分な遺産を受け取れないケースがでてきます。

例えば遺留分がなく完全に自由だった場合、父が亡くなり入ってくるであろうと予想していた遺産でも、遺言に「愛人に全てを譲る」と書いてあると実子でも一切もらえなくなります。

そうなると”相続人の期待があまりにも裏切られてしまう”ので、そういったこと防ぐために一定範囲の法定相続人は「遺留分」を主張できるようになっているのです。

また、遺留分は遺言があっても侵害できない権利なので、遺言で相続権のない人に譲ると書かれていても遺留分請求をしましょう。

遺産分割で兄弟姉妹が争いにならない対策方法

兄弟姉妹の遺産分割で争わないためには、生前のうちにしっかりと話し合っておくことが大事。

■親に遺言書を書いてもらう
遺言書作成は遺産の相続トラブル防止に最も効果的で、遺言があるだけで回避できるトラブルがたくさんあります。
親に頼むのは気が引けますが、後々のことを考えて必ず書いておいてもらいましょう。

親に説明して一緒に公証人役場、弁護士や司法書士の専門家のところへ行ったりなど、積極的に動いてサポートしましょう。

■財産内容を明確にしておく
相続手続きが始まってから想像より遺産が少ない、遺産がどれぐらいあるかわからないといった、財産が不明瞭な状態はトラブルの元。
生前に財産内容を明確にしてもらい、兄弟姉妹間で共有しておきましょう。

また、エンディングノートは遺言のような法的な効力はありませんが、財産情報を明確にするためにとても役立つので作っておくことをオススメします。

■介護の負担を話し合っておきましょう
介護は財産分割の時に揉めるポイント1つなので話し合っておくことが大事。
なぜなら遺産について話し合うことなく急に相続する状況になってしまうと、法的には介護をしていても財産分割は変わらないからです。

介護は肉体的にも精神的にも負担が大きく大変なので、相手の立場に立ち分割の割合を考えておきましょう。

また、施設を利用する場合は場所・料金などもきちんと話し合い、親の金銭管理についてのルールを決めておくなど兄弟姉妹で情報共有しておくことが大事ですよ。

■遺産分割はスケジュールを立てて行う
遺産相続の手続きは調査に時間がかかりますし、リーダーシップをとっている人が多忙で仕事の合間に進めているとさらに時間はかかってしまうことが予想できます。
そうなると相続人内で「きちんと手続きを進めているのか?」「こんなに時間がかかるのか?」と関係性がギスギスする場合もあるので、調査が終わる目処や、分割の話し合いができそうな日程といった大まかなスケジュールを共有しておきましょう。

■最低限の法律を知っておく
遺産相続は、法定相続分や法定相続人、遺留分など分割の元になる法律がいくつかあります。
つい感情的になってしまっても、そういった法律は変えられないのであらかじめ知っておくことが大事でしょう。

■引き返せなくなる前に専門家へ依頼!
遺産相続が原因で仲の良かった兄弟姉妹に溝ができ、絶縁状態になってしまうことも多いにあります。
裁判になると時間もお金も使いますが、一度できた溝を修復するのは本当に大変。

最終手段としてやむおえない場合はもちろんですが、そうなる前に早い段階で一緒に相談に行きましょう。

まずは遺言書、そしてしっかりと話し合うこと

財産分割で最も重要なのは遺言書を用意すること。
遺留分には効力がないといっても、遺言書があるだけで多くのトラブルが起こらなくなります。

また、兄弟姉妹間で大切なのはしっかりと話し合い、目の前のことに向き合うことも大切です。
面倒だからといって後回しにする、その話題を避けるなどをしていて、急に両親が亡くなり遺産相続の手続きが始まる場合が争いが生じるケースとしてはかなり多いので気をつけてくださいね。