成年後見制度の費用相場は?弁護士や司法書士に頼むケースも説明

終活関連の制度
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将来万が一自分の意思で動くことができなくなったときに、財産管理をしてほしい…
そういった理由から成年後見制度を利用する方が増えています。

テレビではよく聞く言葉だけど、詳細は分からない。
今回はそんな方のために、成年後見制度についてご紹介していきます。
複数の種類があるので自分にはどれが適しているのか、検討してみましょう。

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成年後見制度を使うのに必要な手続きとかかる費用

将来、認知症や精神・知的障害、重度の病気によって自分自身で物事を判断する能力が不十分なときに、自分が保有している財産を守る援助者を成年後見人と呼びます。
成年後見制度を利用するには、決められた手続きを行う必要があります。

成年後見制度に必要な手続き

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2種類があるので、順番にみていきましょう。

法定後見制度

本人の判断能力が不十分で日常生活を送るのも難しい状態のときに、家庭裁判所が適任と思える人物を決める制度です。

1.自宅から一番近い家庭裁判所に申し立てを行う。
 (本人・配偶者・四等親内の親族のみが申し立て可能)
2.後見人の候補者が家庭裁判所に呼ばれ、現在本人にどの程度判断能力があるのかを鑑定。
3.家庭裁判所が調査・鑑定・心理の結果、成年後見人の選任をする。
『審判』と呼ばれ通常は申立書に記載した候補者が選任されるが、状況によっては候補者ではなく行政書士や弁護士が選ばれることもある。
4.審判書を成年後見人が受領し、2週間後から後見開始。

■手続きに必要な書類
◎申立書
◎診断書
◎申し立て手数料・登記手数料
◎郵便切手
◎鑑定料
◎本人の戸籍謄本
◎候補者の戸籍謄本・住民票・身分証明書・登記事項証明書

任意後見制度

本人が判断能力があるうちに後見人の候補者を決めておき、公正証書で任意後見契約を結んでおく制度です。
自分の意思で決めることができるため、いざというときでも安心できるというメリットがあります。

1.自分の意思で後見人を選ぶ。
2.公正証書で『自分の今後の生活や看護・財産管理の代理権を後見人に渡す契約』(任意後見契約)を結ぶ。
3.実際に本人の判断力が低下したら、自宅から近い家庭裁判祖へ後見人選任の申し立てをする。
選任された時点で後見人が開始。

■手続きに必要な書類
◎本人確認ができる戸籍謄本・住民票・印鑑登録証明書・運転免許証・パスポート等の書類
◎任意後見受任者の身分証明ができる住民票・運転免許証・印鑑登録証明書・パスポート等の書類
◎診断書・財産目録・不動産の登記簿謄本等(事前に何が必要かを公証人に確認)

手続きにかかる費用

成年後見人の手続きには費用も発生します。
どのくらいの費用が必要なのか、あらかじめ知っておきましょう。

法定後見制度

◎収入印紙…800円(詳細は下記で説明)
◎登記手数料…2600円
◎切手代…裁判所によって異なる
◎鑑定料…5~10万(実際に行われることはあまりない)

鑑定は制度を利用する際、裁判所が本人の精神状態について鑑定が必要と判断したときに発生します。
後見制度を申し立てするときの診断書とは別に、裁判所から意思に依頼されますが、実際には1割ほどしか行われません。

任意後見制度

◎任意後見契約書作成に必要な手続き料…11000円
◎登記嘱託手数料…1400円
◎登記時に納付する印紙代…2600円
◎証書代・切手代…枚数による

3つの制度によって収入印紙の費用が異なる

成年後見制度は制度を利用する本人の、判断力の程度により『後見・補佐・補助』という3つの制度があります。
それぞれの制度に必要な収入印紙の費用を、紹介するので参考にしてください。

後見

1人で日常生活を送ることができないほど判断能力が低下しており、常に第三者の助けを必要とする重度の状態。
■後見制度開始申し立て…800円

補佐

日常生活は送れるが、金銭の貸し借りや不動産の売買といった財産に関係する項目についての判断が難しい、中等度の状態。
■補佐開始申し立て…800円
■制度開始申し立て+同意見追加付与…1600円
■制度開始申し立て+代理権付与…1600円
■制度開始申し立て+上記2つの申し立て(同意見追加付与・代理権付与)…2400円

補助

日常生活は問題なく財産関係の手続きも可能ですが、不安要素があるため別の人に依頼したほうが良い軽度の状態。
■制度開始申し立て+同意見追加付与…1600円
■制度開始申し立て+代理権付与…1600円
■制度開始申し立て+上記2つの申し立て(同意見追加・代理権付与)…2400円

成年後見制度を弁護士や司法書士に頼んだときの費用は?

成年後見制度を弁護士や司法書士のような専門家に依頼すると、社会的な信用が高いという安心感や法律問題に幅広い対応ができるというメリットがあります。
しかし、弁護士や行政書士の専門家はボランティアで行っているわけではないので、当然ですが費用が発生します。

一般的には15~20万円が相場となり、このほかにも手続きに応じて費用がかかるので知っておきましょう。

弁護士の場合

弁護士に依頼するメリットは、なんといっても法律問題に幅広く対応できるということです。
賃貸アパートの管理や債務問題・年金といったあらゆる法律問題を扱っているため、いざというときの弁護士相談費用を省くことができますね。

■弁護士事務所 あおぞら事務所の場合
◎任意後見着手金…32万4000円
◎後見開始前、定期訪問費用…1回あたり1万800円
◎裁判所へ申し立て時費用…10万8000円
◎管理中の費用…月2万1600円
上記以外に書類作成や申し立てで別途、費用が発生し事務所によっても費用は異なります。

弁護士に依頼する場合はどうしても費用が高くなるので、自分にとって最も適切と思える弁護士事務所を探すことが重要といえるでしょう。

司法書士

司法書士に依頼する場合は、専門的な訓練を受けたリーガルサポートという団体に所属している司法書士がおすすめ。
司法書士の中には、成年後見の業務を全く経験していない人もいるので、依頼前には実績を確認しておきましょう。

■岩城真之司法書士事務所の場合
◎申立準備内容チェック…3万円
◎成年後見等申立…8万円~
◎後見申立活用アドバイス…5万
◎候補者選任相談…6万
◎家庭裁判所面談同行…3万

上記以外に実費は別途請求。

値段だけで比べると司法書士の方がはるかに手軽ですが、司法書士は支援のみというスタンスが基本です。
難しい法律が関係する手続きを全てお願いしたいという場合は、費用は高くなりますが弁護士に依頼したほうが良いでしょう。

成年後見人報酬の相場も知っておこう

成年後見人の報酬は家庭裁判所が決定し、専門家・親族関係なく報酬が請求できます。
報酬には基本報酬と付加報酬の2種類があるので、それぞれ見ていきましょう。

基本報酬

基本報酬は、後見人が管理している財産の金額によって変動します。
後見人が複数いる場合は人数分に当分されますが、裁判所からは以下の金額が一般的な目安とされています。

■被支援者の管理財産が1000万円以下…月2万円程度の報酬
■被支援者の管理財産が1000万円以上かつ、5000円万円以下…月3~4万円程度の報酬
■被支援者の管理財産が5000万円以上…月5~6万円程度の報酬

親族が後見人になっている場合は、報酬を受け取らないという選択肢もあります。

付加報酬

基本報酬以外に、以下の項目が発生した場合は付加報酬が認められています。
こちらもぜひ知っておきましょう。

■訴訟
被後見人が不法行為で被害を受けたことを原因とし、1000万円の損害賠償請求を訴訟。
見事勝訴判決をもらい、管理財産を1000万円増額。
…80~150万円

■遺産分割調停
被後見人の配偶者が亡くなり、遺産分割の調停を申し立て。
調停が成立し、総額4000万円の遺産から半分の2000万円の遺産を取得したとき。
…55~100万円

■身上監護等で特別に困難な事情があったとき
家庭裁判所が判断し、基本報酬の半分以内で支払われる。

■不動産の売却
被後見人の療養看護費用を捻出するという目的で、家庭裁判所の許可をもらい居住用不動産を任意売却したとき。
…40~70万円

成年後見人の費用は自力だと7000~1万円、専門家に頼むと22~52万円

■自力で行う場合
◎切手代…3000~5000円(裁判所によって異なる)
◎登記費用手数用…2600円
◎収入印紙代…800~2400円(種類によって異なる)
◎鑑定費用…5~10万円(必要と判断された場合のみ必要)

■専門家に依頼する場合
◎基本費用…3~30万円(司法書士・弁護士・事務所によって異なる)
◎成年後見等申立…8万円~
◎後見申立活用アドバイス…5万
◎候補者選任相談…6万
◎家庭裁判所面談同行…3万

成年後見人は周りに信頼できる人がいれば、その人に頼むのが最もベストな方法です。
しかし、後見人を決めることで親族間で揉め事が起きそうな場合は、費用は高くなりますが専門家に依頼したほうが安心といえるでしょう。