介助と介護の違い<それぞれの定義と内容について>

介護・老人ホーム
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将来を考えたときに気になる、自分への介護や介助。
耳にしたことはあるけれど、実はその言葉の意味を知らないという方も多くいます。

今回は『介護』と『介助』の意味や違いについて、説明していきます。
2つの言葉の意味を知り、自分にはどちらがあっているのか考えてみましょう。

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介助と介護の違いは「自立支援か」「生活サポートか」

介助と介護はどちらも一般的に同じ意味で使われていますが、厳密には異なります。
介助は生活における具体的な行動をサポートするもので、1人で食事ができない、お風呂に入れない、というケースにおこなわれます。
そのため食事のサポートが終わると目的を果たしたということになります。
入浴を介助するのであれば、浴室や浴槽までの移動といった細かなお手伝いということになりますね。

一方、介護は身の回りの世話全般における自立支援といった広い範囲を指します。
高齢者や1人では行動できない方を助けるための行動全てを介護と呼びます。
介助は介護の中に含まれるということになりますね。

生活援助と介助は同じもの?

介助と同じく『生活援助』という言葉を耳にする機会も多いでしょう。
一見同じ意味のように思えますが、この2つも意味が異なります。

生活援助は身の回りの日常生活の援助サービス

上記でも説明したように、介助は着替えや排せつ・入浴といった日常生活に必要な行動の1つ1つに対するサポートです。

それに対し、生活援助は介護保険が適用でき、本人や家族が難しい洗濯や買い物、食事の支度や薬の受取などの身体に直接触れない援助サービス。

勘違いする方もいますが、生活援助は上記のように本人に対して行われる行動です。
そのため本人以外の家族の部屋の掃除やペットのお世話、家具の移動や大掃除は含まれません。
大掃除や窓ふきなどを手伝って欲しい場合は、保険適用外サービスとして提供している事業所があるのでそういった事業所を利用するようにしましょう。

介助と介護 それぞれの種類と具体的な内容について

介助と介護はさらに詳しい種類に分類できます。
自分が利用することも考え、どのような種類があるのか知っておきましょう。

介助の種類

介助は行動に対するサポートなので、行動の分だけ種類があります。
一般的に行われているものをご紹介しますので、しっかりと理解しておきましょう。

食事

食事の介助は高齢者の誤嚥リスクを避けるために行われる、介助の中でも難しいものの1つです。
本人の状態によって食事内容を柔らかいものにしたり、食べやすいように小さく切ったりすることが大切。
誤嚥を防ぐために口に運ぶタイミングや、食事中の姿勢にも気をつける必要があります。

~認知症の場合の介助方法~
1.今から食べる食事内容を一緒に確認し、食事の用意を一緒にする
2.食事を拒否する場合は
『味見をお願いできますか?』や『作りすぎたので食べてもらえませんか?』
と声掛けをする。

着替え

1人で着替えられない場合は、朝・入浴前後・就寝前のタイミングでの介助が必要です。
着替え時は当然ですが、裸や薄着になります。
冬場は着替え介助を行う前に、室温を調整しておく必要があります。

また、相手の自尊心を傷つけないようにするためにも着替えは同姓が行うようにしたり、ブランケットをかけるといった配慮も忘れてはいけません。

介助を行う相手は身体がマヒしていたりと、1人では自由に身体を動かすことができないのが大半です。
1.左手にマヒがある場合、マヒのない右側の肩から手にかけてゆっくりと衣服を脱がしていく。
2.右側を脱いだらマヒがある左側を脱がしていきます。
衣服を着用するときは、マヒしている左側から着ていきます。

時間に余裕がなかったり本人にやらせるのが危ないからと全て介助せずに、できるだけ自分で着替えができるように介助を行うのがポイントですよ。

移乗

骨折やマヒなどが原因で車いすを利用していると、1日に何回も行うのが移乗介助です。
本人の身体レベルにもよりますが、移乗介助を行うときはベッドからずり落ちてしまう危険性があるので注意が必要。

また、高齢になってくると皮膚がもろくなってくるため移動時に、ベッド柵に少しぶつかっただけでも皮膚がはがれてしまうこともあるので、周りを十分確認しながら行うことが大切です。

~ベッドから車いすへの移乗~
1.ベッドに浅く座り、床に足をつけて座ってもらう。
2.本人の脇の下と腰を介護者は持ち、身体を引き寄せてお辞儀をしながら立ち上がる。
3.腰または上半身を中心に方向転換を行い、ゆっくりと車いすに座ってもらう。

移乗介助は介助者が腰を痛めてしまう可能性があるので、コルセットやスライディングボードといった福祉用具を活用することも検討しましょう。

入浴

入浴介助は裸のまま本人を待たせることがないように、あらかじめ着替えやバスタオル・石鹸などの必要なものを用意しておくことを忘れてはいけません。
また、介助者も濡れるのを防ぐために長靴や入浴介助用エプロン、着替えを用意しておきましょう。

1.滑りにくい椅子に座ってもらい、お湯の温度を確認しながら足からお湯をかける。
2.身体はできるだけ本人に洗ってもらい浴室への移動は介助する。

床が濡れていると転倒・転落しやすいため、滑り止めマットの使用がおすすめです。
また、本人の体調がすぐれないのに気付かずに入浴してしまうと、体調が悪化してしまうこともあるので、入浴介助を行う前は、必ず体温・血圧・脈の確認をしましょう。

口腔ケア

口腔ケアはケガや病気が原因で、自分では口腔内を清潔に保つことが難しい人のために行う介助です。
口腔内を清潔に保つことによって虫歯や歯周病の予防はもちろん、認知症や心臓病など様々な病気の予防にも。

口腔ケアを行うとき介助者は必ずマスクや手袋を着用します。
歯ブラシは高齢者にとって刺激が強すぎるので、口腔内の粘膜に覆われている部分はスポンジではなく口腔ケア専用のスポンジブラシの使用がおすすめです。

1.口をしっかり閉じてブクブクうがい。
2.入れ歯のお手入れ。
歯磨き粉は使わずに軽くゆすぐか、タオルを濡らして汚れを拭き取る。
3.口腔ケアスポンジを使い、粘膜を優しく掃除。
4.舌苔が付着している場合は、口腔ケア専用スポンジブラシか柔らかめの歯ブラシを使って、優しく擦る。
5.歯ブラシは力を入れすぎないように注意しながら磨いていく。
6.洗口液を使い、仕上げのうがいをする。

排泄

排泄介助では相手の自尊心を傷つけず、プライバシーを配慮する心遣いが重要です。
ズボンの上げ下げやトイレットペーパーを取ってもらうといったどんな小さなことでも良いので、できるだけ本人に行ってもらうのがポイント。
また、車いすの場合は事前にトイレのスペースを確認しておくことも忘れないようにしましょう。

1.車いすから立ち上がり方向転換をして、できるだけ本人にズボンを下ろしてもらう。
2.ゆっくりとお辞儀をするように便座に座ってもらう。
3.1人で安定して座れる場合は排泄が終わるまで外で待つ。
4.できるだけ本人に拭いてもらい、介助者は健康状態を確認するためさりげなく排泄物をチェック。
5.ゆっくりと立ち上がりズボンを上げてもらい、車いすへ。

排泄介助は本人を急かさないようにすることが重要です。
近くに人がいると緊張してしまうということを忘れないようにしましょう。

歩行

歩行介助は車いすを使うほどではないけれど、1人で歩くのはふらついて危ないといった方に行われます。

~寄り添い歩行介助の場合~
本人の横に介助者が立ち、お互い前方を見て寄り添うように介助する方法です。
わきの下に手を入れて介助することで万が一、バランスを崩してもすぐに支えられストレスなく長距離移動が可能。

1.本人の利き手と反対側に介助者が立ち、わきの下と手を下から支えるように軽く握る。
2.目線をお互い進行歩行に向けて、ゆっくりと歩く。

歩行介助は本人のペースに合わせて歩くことが大切です。
短い移動距離であってもその日の体調によって休憩が必要な場合があります。
いつでも休憩できるように目的地まで、椅子の用意があると安心ですね。

介護の種類

介護サービスは居宅・施設・地域密着型の3種類に分類できます。
それぞれの特徴をみていきましょう。

居宅サービス

居宅サービスはさらに訪問・通所・短期入所の3種類に分類できます。

■訪問サービス
介護福祉士やホームヘルパーが自宅に訪問し、入浴や排せつなどの身体的介護・洗濯や料理などの生活援助が受けられます。
医師の指示のもと看護師や理学療法士が訪れ、リハビリや医療行為を受けることも可能です。

■通所サービス
デイサービスとも呼ばれ、決められた施設へ自宅から向かい入浴や食事・レクリエーションが行われます。
生活支援はもちろん、本人や家族の気分転換にも最適。

■短期入所サービス
ショートステイとも呼ばれ、家族が体調不良や家を空けなくてはいけない用事で介護ができない場合に利用できます。
地域によっては予約がとれにくい場合もあるので、早めに対応するようにしましょう。

施設サービス

施設サービスは『介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設』の3種類があります。
施設によって長期入所可能なところと、短期入所のみのところがあります。
実際に施設見学をしたり、体験入居できる場合もあるので自分にピッタリの施設を見つけることが重要です。

地域密着型サービス

居宅・通所・施設の要素を含んでいるのが地域密着型サービスで、自分が住んでいる地域のサービスしか受けられません。

地域密着型はさらに次の9つに分類されます。
1.夜間対応型訪問介護…定期巡回と随時対応の2種類あり。
2.小規模多機能型居宅介護…利用者ができる限り自立できるような支援。
3.定期巡回・随時対応型訪問介護看護…介護と看護が一緒になり24時間・365日利用者の居宅を巡回。
4.認知症対応型通所介護…日常生活での支援や機能訓練を実施。
5.看護小規模多機能型居宅介護…訪問介護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせたもの。
6.認知症対応型共同生活介護…グループホームで複数が一緒に生活して支援を受ける。
7.地域密着型特定施設入居者生活介護…指定を受けた施設で機能訓練や日常生活訓練を実施。
8.地域密着型通所介護…定員18人以下の施設で日帰りで機能訓練や日常生活支援を受ける。
9.地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護…特別養護老人ホームに常に介護を必要とする人を入所させ、日常生活支援や機能訓練を実施。

地域によって内容が異なる場合があるので、自分の自治体に問い合わせて内容を確認しましょう。

介護と介助の違いを知り、自分に適したほうを選ぼう

■介護
入浴や食事などの身の回りのお世話全般を含めた広い意味で、次の7項目があります。
1.食事
2.移乗
3.口腔ケア
4.排泄
5.入浴
6.着替え
7.歩行

■介助
日常生活の中で入浴の手助けといった具体的な生活サポート
1.居宅
2.施設
3.地域密着型
の3種類があります。

介護と介助の特徴を知り、自分は将来どちらを希望するか今のうちから考えておきましょう。